Story 夜咄酒事(よ・ば・な・し/さ・じ)
日没よりはじめる茶道・茶事を夜咄、夜会という。 行灯や手蝋の薄明かりを頼りに行われ、茶道の世界では茶事の中でも最も難しいものと言われています。 利休の時代、掛け軸に大きい文字の書、花は暗がりでも目立つ白など、暗闇の中で行うことへ新たに客が何かを感じ取れるような趣向が施されるようになりました。 陰影礼賛—という考えがあります。これは近代以前の日本建築に天井照明はなく、行灯や手蝋による陰が生まれる空間は趣があってよい、という美意識です。 外部世界と隔絶された空間・非日常的な暗がりで感覚を極端に制限することで、より五感が研ぎ澄まされるという夜咄は陰影礼賛の美意識と合わさり、刺激に刺激を重ねるような現代の日常の対となる静かな非日常のエンターテイメントになると考えます。 夜咄茶事の作法をベースに、茶ではなくお酒、茶事ではなく酒事—としてゲストが五感を研ぎ澄ませ、刺激するための日本酒専門空間のスタンダードを生み出します。
