あなたのなかに愛が無いのではなく、今はただ、それを忘れているのかも知れない。自分で考えること、行動することの前に答えに 飛びつこうとしてしまうのは、今はただ、見えないものと向き合う強さよりも、こころが安心を求めているのかも知れない。自分の言 葉が、ほんとうに感じていることよりも軽いと感じたら、今はまだ、その言葉を口にするまでの思考の質量が、十分ではないのかも 知れない。 日本人が昔から、鳥居によってこちら側と向こう側を分け、そこに見えないものを感じ、見えない何かに語りかけようとしてきたよう に。私たちは時折、ふだんの思い込みや誰かが用意した答えを捨てて、境界を越えなければならない。 忙しい人こそ、パーソナルトレーニングを活かして自分の意思だけでは辿り着けないところまで体を追い込むように。私たちは時 折、日常よりも高い次元で自分と向き合える場をつくり、そこで思い出したこと、見つけたこと、考えたことを、またこちら側へ持って くるという行為を経験しなければならない。 酒道(SADO)は、精神の戯れである。日本酒の味や料理とのペアリングという話ではなく、嗜好や五感を超えたところにある第六 感、第七感へと働きかけていく。それは今、多くの人が技術や情報と引き換えに忘れかけている感覚かも知れない。酒道は、オ フェンシブな内向である。一見すると振る舞われた日本酒を味わう受動的な行為だが、日本酒を“聴く”ことを通して自らの心の声を 聴きに行く、極めて能動的な行為である。 酒道には、酒会(SAKAI)と酒事(SAJI)という大きく二つの概念がある。酒会とは、自分から外に向かって楽しむ会であり、日本酒 をさまざまな環境や場面に合わせて愉しむ行事である。酒事とは、自分から内に向かい、自分の精神と向き合うことである。酒事を 催すためには、日常との境界が必要であり、私たちはそのために移動式酒室「BLACKBOX」を走らせる。光を極限まで抑えた暗 闇のなかで、ふだん使われることのない感覚が研ぎ澄まされ、自分で自分の答えを探すための世界がひらかれていく。 この場所で、人知れず日没後にはじまる夜咄酒事(よばなしさじ)は、まだ見ぬ体験、まだ見ぬ自分を向こうに秘めた、幻の酒事。 境界を越えて再び現実へ解き放たれた人たちの強さは、いつか世界の平和へとつながっていく。それこそが、酒道という道の先に ある究極の願いであり、酒人としての矜持である。 |
日本酒によく使われるペアリングという言語。その名の通り食事と日本酒の相性を体験する物として使われており、日本酒は嗜好品として、このペアリングという楽しみ方が流行している時代である。このペアリングは私でなくても専門店に行けばどこでも体験できるような時代になってきた。ただ私にはまだふに落ちないところがある。約20年もこの日本酒業界に携わってきて漠然と考えてきたこと「美味しい」とは何か?という究極の議題である。 その美味しいを作り出す「1つの手段」として食事と日本酒の相性体験というのがある事は理解出来る。 私の美味しいとは、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」がとても重要であると。それが美味しいを司るシンプルであり原点であると私は考えてます。 味覚や嗅覚で楽しむだけではなく、嗜好を超越した日本酒の提案が出来ないか? 経験や体験から生まれる感動を日本の歴史、文化の象徴でもある日本酒を使用して自分なりの表現方法はないのか? そして、この「酒道(SADO)」に辿り着きました。 私の掲げる「酒道」には大きく二つがあり「酒会(SAKAI)」と「酒事(SAJI)という概念がある。 酒会とは自分から外に向かって楽しむ会であり日本酒に環境とシーンをペアリングした日本酒を愉しむ行事であり 酒事と自分から内に向かって自分の精神と向き合う事である。 「味わい」という一つの形に囚われるのではなく、 酒道とは、日本酒を通して目に見えないものに耳を傾けて「精神と戯れる」という目的が込められています。 そしてこれを酒道では積極的に耳を自ら傾けていくという意味も含めて「聴き酒」とも言っております。 言語は邪魔である。 人は常に感情があり、その感情を「言語」を通して伝達する。 つまり言語とは「伝達手段」の一つであり、感情の本質ではないという事。 辛口、甘口、美味い、不味いなど曖昧な言語に囚われがちだが、 たまには、そんな概念を取っ払ってみてもいいのではないだろうか? 言語にする事で感情がとても軽いものになると感じたことはないだろうか? 言葉の重さというが、それだけ感じている、考えている、そういった心の時間が言語の軽くも重くもするのだ。 現代は伝達手段も情報量も多く、すぐに答えを探せる時代である。 不明なことがあれば携帯ですぐに答えが見つかる。 全てが時間短縮である時代で、時間を贅沢に使うということがどれだけ心の浄化になるかと思ってます。 もっと自分の感情にわがままに感じることが究極の精神の戯れであると。 行動する前に答えばかり求めすぎて情報に頼りきってしまう時代の中で 自分を見つめる時間、知らない自分に向き合う時間を「日本酒」を通して感じて欲しいという思い酒道は生まれました。 目に見えるもの=答え、ではなく、心や不安、勇気、想いといった、目には見えないものに耳を傾ける事で自我の解放や心の浄化を感じて欲しいと思ってます。 |
酒室(BRACK BOX)で行われる酒事では、看板や評価によらない一流の考え方やコンセプトを体現する方との一夜かぎりのコラボレーションを創造します。 ある時は世界に認められる鮨職人とのコラボレーション、ある時はローカルな食材を一皿の世界に込める一皿のイタリアン…漢方コーディネーターによる純米酒との新たな出会い、バリスタによるコーヒーと純米酒の掛け算、世界に名を連ねるバーテンダーによる日本酒カクテルとフードのペアリング…… わたしたちの想いに共感してくれる共犯者と世の中になかった価値を生み出す宴。その準備はもう、できています。 |
日没よりはじまる茶道、茶事を夜咄、夜会という。 行灯や手蝋の薄明かりを頼りに行われ、茶道の世界では茶事の中でも 最も難しいものと言われております。 利久の時代、掛け軸に大きい文字の書、花は暗がりでも目立つ白など 暗闇の中で行うことへ新たな客が何かを感じ取れるような趣向が 施されるようになりました。 陰影礼賛-という考えがあります。 これは近代以前の日本建築に天井照明はなく、行灯や手蝋による影が 生まれる空間は趣があって良い、という美意識です 外部世界と隔絶された空間・非日常的な暗がりで感覚を極端に制限する事で より五感が研ぎ澄まされるという夜咄は陰影礼賛の美意識と合わさり 刺激に刺激を重ねるような現代の日常的の対となる静かな非日常の エンターテイメントになると考えます 夜咄茶事の作法をベースに、茶ではなく日本酒、茶事ではなく酒事- としてゲストが五感を研ぎ澄ませ、刺激するための日本酒専門空間の スタンダードを生み出します。 |
Producer 山本将守 Masamori Yamamoto 1980.11.6 SSI理事、名誉唎酒師、日本酒学講師、ソムリエetc... 24歳から酒屋で働き29歳で独立、同年に純米酒専門YATAを創業 ジャパンタイムでアジア次世代のリーダー100人に選出 第4回世界唎酒師コンクール | WORLD KIKISAKE-SHI COMPETITIONにてfinalist 日本全国の酒蔵を訪問し直接取引を基本とし蔵人との関係性を重視し アメリカや台湾、ベトナムなど世界を周り日本酒の魅力を啓蒙活動も行っている phantom breweryとして醸造所を持たない醸造家として商品開発も行い 全酒類卸業免許を使用して他店にも日本酒を販売している 2022年より酒道を提唱し酒道の「酒室」として移動式酒室「BLACK BOX」をプロデュース 今後はこのBLACK BOxを走らせ日本酒ビジネスだけではなく醸造技術向上や日本酒を通しての地方創生 未来の日本に様々な角度から歴史や文化にイノベーションをアプローチしていく活動家である |
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